【美人女社長】第4話 プログラマー

朝7時に目覚ましをかけてるけど、実際にベッドを出るのはいつも7時40分。
今日は、6時20分には顔を洗っていた。
 

オカヤマさんからの誘いを受けることに決めた。
決めたことだけど、少し緊張している。昨夜はなかなか寝付けなかったけど、深い眠りについた気がする。
そのせいか、朝はスッキリと起きることができた。
 
とても清々しい。
このまま、ピザ屋のアルバイトを辞めて、IT業界へ就職してしまうんじゃないかと思うくらい。
何か大きな決断をして、そしてそれに向かって前向きに進んでいる気がする。
 
いや、冷静に考えると、ただバイト先の先輩が手伝ってくれと言ったプログラムを作るだけだ。
でもこれって、プログラマーってやつだろうか。
これで、自分の肩書きは「プログラマー」と名乗ってしまっていいだろうか。
 
少しだけ、口元が緩んだ。
 
まだ、バイトが始まるまで時間があるし、毎朝換気扇の下で吸うタバコは、今日はやめよう。
近くの公園にある灰皿の前でタバコを吸うことにした。
 
朝7時前だけど、公園にはちらほらとランニングをする人が見受けられる。
若い男女や、中年の男性など様々だが、中年のおじさんランナーが一番引き締まった体をしている。
もしかしたら、どこかの会社の社長かもしれない。
経営者ってみんな早朝ランニングをするんだよね。きっと、みんなするんだよな。
 
横目にタバコを2本吸って、少しだけ早足で家に戻った。
早足になったせいで、まだ家を出るには早い時間だった。特に時間を潰せることも何もないし、早いけど出勤することにした。
 
中古のリトルカブに乗って、バイト先へ向かう。
スクーターの方が便利だけど、シフトがついてるリトルカブが少しおしゃれに感じて買った。
今では、やっぱりスクーターにしておけばよかった気がする。
ガチャガチャとシフトを変えなければいけないのはめんどくさいし、スクーターに比べて加速が悪い。
いろんなことに手を出すたびに、形から入る自分に嫌気がさす。
 
バイト先に着くと、オカヤマさんのホーネットが停まっていた。
少しだけ、胸が苦しくなる。
決めたことだけど、やっぱり緊張する。
ピザソースの匂いがして、いつもの日常が始まる。
だけど、今日は少し違う。少しだけ、勇気を出して、新しいことに挑戦するのだ。
 
更衣室で着替えて、休憩室に向かう。
休憩室でタバコを吸って、トイレに向かう。
キッチンにいる社員さんに言った。
「オカヤマさんってきてますよね?」
 
「ん?あーきたけど、体調悪いとか言って、歩いて帰ったよ。」
社員さんは軽い感じで言った。
「今日は店も空いてそうだし、休んでもらったよー」
 
なんでだろう。胸の苦しさが強まった気がする。
 
※この物語はフィクションです。

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