【美人女社長】第6話 電気街

今日はバイトは休み。
自宅からリトルカブで30分ほどで着く電気街に来ている。
 

リトルカブはスクーターと違って、メットインが無い。これもリトルカブを選んで失敗したところだ。
次に買うバイクはアドレスVと決めている。
リトルカブが壊れたら乗り換えよう。早く乗り換えたいからか、回転数を高めに運転したり、シフトチェンジを多めにしたり、少し荒く運転している気がする。
だけど、全然壊れる気配がない。
カブは丈夫なのだ。
嬉しいような悲しいような。
 
バイク屋で買ったキャリアケースをリトルカブの荷台にくくりつけて電気街を遊走する。
 
まずはマザーボードを買うのだ。
昨日のバイト帰りに買った自作パソコンに関する雑誌を一晩で読み切った。それだけで知識がかなり身についた。
パソコンで主に重要なパーツは、CPU、メモリ、ハードディスク、そしてマザーボードだ。
人間で言うと、CPUは頭脳、メモリは作業机の広さ、ハードディスクは棚の大きさ、マザーボードはそれらを配置する部屋といったところ。
 
作業机が広くなければ、頭脳明晰な人でも作業を効率的にこなせない。
作業を効率的に行えても、成果物を収納する棚が大きくなければ意味がない。
しかし、快適な部屋がなければそれらの連携に支障が出る。
 
全てはバランスが必要だ。
 
それらを考えるのも楽しい。だけど、結局はコストと相談。
まずは、CPUを決めた。
Pentium4ってやつだ。
 
まだよくわかってないけど、CMでよく「ペンティアム」ってのを聞くし、そんなに高くない。
全部買い揃えて、2万円くらいに収めたい。
 
マザーボードとCPUを接続するには「ソケット」といのを気にしなければいけないらしい。
Socket478って言うマザーボードを選べばPentium4が使えそうだ。
 
電気街の奥の方へ進み、少し怪しげな店に勇気を振り絞って入っていく。
なんだか、油臭い気がする。
電子部品特有の匂いというよりは、徹夜明けの匂い。
 
パソコンと一晩中にらめっこしている人たちの匂いといったところだろうか。
 
長方形の箱が並んだ棚を前に物色する人。
一つ出してはしまい、次の箱を出してはしまう。
こういう光景を見たことがある。
電気街というよりは、新宿とか御茶ノ水とか。
そうか、レコード屋でレコードを物色している人に似ているかもしれない。
 
「ディグる」ってやつだ。
マザーボードをディグってる。
よし、1日かけていいものを見つけ出そう。
 
※この物語はフィクションです。

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