「iPhone X」や「iPhone 8」に搭載された「Bluetooth 5.0」で何ができるようになるのか

ついに新しいiPhoneに「Bluetooth 5.0」が搭載されました。

多くの方はBluetoothのバージョンなど、あまり気にしていないと思いますが、今回この「5.0」に対応したことは、様々な新しい機能にとって多大な恩恵をもたらすと私は考えています。

今までのバージョンと比べて、「Bluetooth 5.0」が一般ユーザにとって一番のメリットは通信速度の向上でしょう。

音楽の視聴においては、この恩恵は多大なもので、iPhoneを利用してハイレゾ音源をBluetoothイヤホンで聞くことができる日も来るかもしれません。

高音質対応

しかし、期待される高音質対応ですが、すぐには無理であると考えてしまいます。

なぜならば、Appleには高音質でサイズの大きな音源をBluetoothで転送する手段を持っていないのです。

ここでいう「高音質でサイズの大きな音源」とは、サンプリングレートの話になります。

例えば、サンプリングレートというのはシンプルに考えると、1秒間あたりの情報量のことですが、ハイレゾではなく一般的なCDでは、44.1kHz/16bitというサンプリングレートになっています。

これは、1秒間のデータサイズとしては「16bit × 44, 100個 × 2ch(ステレオならば右と左の為)= 1,411,200bit」となります。

そして、iPhoneにおいてBluetoothで音源を転送するプロトコルとして「AAC」に対応しています。

AACではビットレートが320kbps程度が限界と言われている為、22%程度まで圧縮しなければ転送が不可能ですが、可逆圧縮でこの圧縮率は困難と思われます。

Apple LosslessやiOS11で新たに追加されたコーデックFLACでもこのような圧縮率はできません。

音源にもよりますが、FLACで最大の圧縮レベルを使用しても半分程度にしかなりません。

ソニーのBluetooth製品ではLDACというプロトコルを利用して、高音質な音源のワイヤレスリスニングを実現しています。3つのモードがあり、音質優先というモードで990kbpsの転送レートになっています。上記の様なデータであれば、70%程度まで圧縮すればよいので現実的です。

わずかにデータ損失はあるようですが、とても高音質でBluetoothを利用できます。

この様なコーデックやプロトコルをiPhoneでも活用すればよいのですが、なぜかAACの対応にとどまっています。

iOS11で大々的に関連する発表がなかったことを考えると、高音質化は当分無理かと思います。

ただし、AACの320kbpsでも十分高音質であると言えるのですけどね。

テザリング

テザリングする際に、Bluetoothを利用すれば、iPhoneをポケットに入れたままMacでインターネット接続できます。

「Bluetooth 5.0」によって、転送速度が今までの2倍になるモードがある為、その恩恵を期待しました。

しかし、最新のMacBook Proには「Bluetooth 5.0」が搭載されていませんでした。。。

iPhoneとMacの組み合わせでBluetoothを利用した恩恵は受けられそうに無いです。

 

メッシュネットワーク

「Bluetooth 5.0」では新たにメッシュ構造のネットワークトポロジーを構成できるようになっています。

いままでは1対1の通信であったのですが、隣接する複数のBluetoothデバイスと接続し、さらにはそのデバイスを中継器として扱い、遠隔のデバイスへデータを転送することが可能なのです。

こちらの記事がとても詳しいです。「Bluetooth 5 のはなし」。

上記の記事でもあるように、メッシュではCSRmeshを利用しているとのことですが、わたしは以前にこのデバイスの評価をおこなっていました。

その際に気づいたのですが、フラッディングといって、隣接するすべてのデバイスにデータを送りつけているのです。それをすべてのノードが繰り返すので、世の中はBluetoothのパケットであふれかえることになりそうです。

そうなると、街中でBluetoothで音楽を聴こうとするとあふれかえったBluetoothのパケットと衝突して、音楽がぶつぶつと途切れることにならないでしょうか。

むやみやたらに新しいバージョンに対応したことで、首をしめてしまっていないのでしょうか。

新しいiPhoneに「Bluetooth 5.0」を搭載した真意はなんなのでしょうか。

 

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